夏から秋にかけて福島県内でもスズメバチに遭遇し刺された被害が発生し、死亡事故にまで到ってしまった事例も現実に起こっています。
スズメバチの習性を理解のうえ行動し、被害防止に努めるとともに、刺された場合は速やかに適切な処置を講じてなくてはなりません。
いわき海浜自然の家においても、毎日多くの小学生を中心とした利用者が山野の野外活動をしております。
冒険の森アドベンチャーやアスレチック、スコアオリエンテーリング、ネーチャーラリー他の野外自然体験活動などてでスズメバチに遭遇することはまれではありません。
このため、スズメバチに対する危機管理対策を下記のように講じております。
1 4月から定期的に、【 スズメバチの誘因トラップ 】をしかけ駆除しております。
2 毎週、最低でも1回(火曜日朝)定期的に野外活動コース点検及び随時の臨時点検をし、記録簿に記入し問題箇所があればすぐに対応措置を講ずる。
3 利用入所団体打ち合わせ時、団体引率担当者にスズメバチやマムシなど、危険な問題についてその対処方法など事前に資料配付の上、安全指導をする。
4 各種目別活動の説明時に、危険が予想される点についてさらに注意を喚起する。
5 危険が予知される場合や万が一の事故発生の折りは、緊急打ち合わせを開催し、臨時点検等他、必要な措置・対応をする。
6 事故発生時における救急医療についてのマニュアルを作成し、医療機関との連携を密にしている。
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フィールドでの遭遇率の高さと、死亡事故にまでつながる可能性を考えると、例えばクマや毒蛇などよりもはるかに危険な、見ようによっては日本のフィールドでもっとも危ない動物といえるかもしれません。
むやみに恐れることはありませんが、スズメバチの生態を理解して対応することが必要です。
●知ってもらうスズメバチの生態と遭遇した際の注意事項
(夏から秋にかけて野外活動なとを行う際は、スズメバチに突然遭遇する危険性のあることを念頭に置く。)スズメバチの攻撃性は種により大きく異なっています。
オオスズメバチとキイロスズメバチは攻撃性が強く、秋口に集団被害の原因となるのも主にこの2種が多いといわれます。
コガタスズメバチは比較的攻撃性が弱く、巣に振動を与えたり急な動きをしなければかなり近づいても 攻撃されることはありません。
ヒメスズメバチは巣を直接刺激しても刺すことはほとんどありません。
攻撃性の強い方から、オオスズメバチ>キイロスズメバチ>モンスズメバチ>コガタスズメバチ>ヒメスズメバチ の順になります。
しかしいずれも、ひとたび巣を攻撃したりして刺激を加えると一斉に攻撃してくるので注意が必要です。
クロスズメバチについて
なお、アシナガバチについては、スズメバチに比べて攻撃性はかなり低く、直接捕まえたり巣をいじらない限りほとんど大丈夫ですが、毒性成分にスズメバチと共通する部分が多く、アナフィラキシーショックの可能性はありますので体質によっては充分な注意が必要です。
スズメバチによる被害の大半は8月〜10月の3ヶ月間に発生し、中でも9月が最も多いとされています。
これは、オオスズメバチの習性として他のスズメバチの巣を集団で攻撃し、幼虫や蛹を餌として持ち帰る攻撃行動の季節でもあり、それにより他種のスズメバチも巣全体が防衛態勢に入り神経質になっているためといわれます。
@偵察蜂による警戒巣の数メートル〜10メートル以内に近寄ると、侵入者の周囲を飛び回って警戒するので、この距離で大声を出した場合、巣の表面に多数の蜂が出てきて警戒体制に入る。
したがって、活動の範囲にスズメバチの巣があるような場合には、巣の近くで大声を出したり、強い振動を与えたりしないように注意する。A偵察蜂による威嚇更に近付くと、侵入者にまとわりつくように周囲を飛び回り、大顎を噛み合わせて「カチカチ」という威嚇音を発する。
野外活動中に偵察蜂に遭遇した場合は、頭(黒色)を隠し姿勢を低くして、ゆっくりその場を離れる。B巣への間接的刺激に対する攻撃威嚇を無視したり、巣のある枝や土中の巣の近くを通ったりして巣を振動させると、偵察蜂が空中に噴霧したフェロモンだけでなく、興奮した働き蜂によって巣の中に散布された警報フェロモンに反応して集団で侵入者を攻撃する。
1匹のハチに刺され毒液が放出されると、警戒フェロモン物質が空中にまき散らされるため、これに刺激された多数のハチの攻撃を受けることがあり危険です。C巣への直接的刺激・破壊に対する攻撃巣への直接刺激や破壊により興奮した蜂は一斉に巣を飛び出し、威嚇行動なしにいきなり刺す。
興奮が激しいときには、多数のハチの攻撃に加え、噛み付いたまま何度も刺すため重症となることが多い。
侵入者を執拗に追いかけ、その距離は数10mに達する場合もあり、最も危険な段階である。
蜂の攻撃を受けた場合、手やタオルなどで払うのは危険である。
蜂は前後の動きには鈍感であるが、左右の横向きや急激な動きには敏感なので、ハチを手で払ったり服やタオルなどを振り回すのも危険です。Dいわき海浜自然の家周辺のスズメバチの種類はオオスズメバチであり、オオスズメバチでは、@からすぐにBの段階へ移行することが多い。E働き蜂が多い(巣が大きい)場合には、巣を刺激しなくても現場から離れないとCの段階に達し、極めて危険な状態となる。Fオオスズメバチは、樹液をなめているようなときでも興奮すると単独で攻撃してくる。G毒液が眼に入ると激痛を起こし、更に毒液の量が多いと角膜剥離による失明の危険性がある。H緊急事態に備えて、市販殺虫スプレー(製品名ハチノック、ハチジェットなど)や抗ヒスタミン剤を含むステロイド軟膏を携帯するとよい。Iスズメバチはいずれの種も黒色に対して激しく攻撃性を示します。白色や黄色、銀色などに対しては反応は弱く、ほとんど攻撃しません。
ただし、たとえ白色であっても、いったん攻撃を受けたあとでは安全とは言えません。Jヒラヒラするもの、純毛製のもの、香水やヘアスプレーなどの化粧品、、音や振動(虫避けの超音波発信機など)には、敏感に対応しますから、蜂を刺激する原因となり、攻撃行動のきっかけとなる場合があります。
●不幸にして刺された場合のその後の対応
不運にもスズメバチに刺傷されてしまった場合
毒液による痛み、腫れ、患部の炎症、痒み、体温の上昇等が、刺傷後10〜15分後に発現しますが、次により対応する。
@速やかに巣から遠ざかる万一巣が近くにある場合はたいへん危険なので速やかに巣から遠ざかる。
この場合もできればなるべく低い姿勢で静かに縦方向に離れます。おおむね10〜50m離れることができれば安全です。A患部からの毒液除去傷口は清潔な水でよく洗い流し、身体に回る毒成分の量を減らすため、できるだけ速やかに毒液を口或いは市販の器具(ポイズンリムーバー)を用いて吸い出す。
B毒成分の不活性化患部の腫れや痛みには冷湿布をし、虫刺されの薬(抗ヒスタミン剤ステロイド軟膏、20%タンニン酸軟膏、3%タンニン酸アルコール、渋柿の汁など)を塗ります。後に水洗いする。
この際、俗信として根強い「アンモニア水で中和する」は、全くの誤りです。C治療患部の腫れや痛みには冷湿布をし、抗ヒスタミン剤を含むステロイド軟膏を塗る。
重症の場合は、患部を冷やして、迅速に医療機関で手当を受ける。Dアレルギー性症状人によりアレルギー反応の程度は異なりますが、身体各所或いは全身の蕁麻疹、だるさ、息苦しさなどのアレルギー性症状がある時は、迅速に医療機関で手当を受けるべきです。
また、次回の刺傷に充分な注意が必要です。
蜂の毒に対する感受性は個人差が大きく、万一アレルギー性を持っていた場合、アナフィラキシーショックと呼ばれるアレルギー性ショック症状が発生する危険があり、重症の場合嘔吐,頭痛,めまいなどがみられさらには血圧低下や意識の混濁、まれには死に至ることがあります。 |